SOUL POSITION “THINGS GO BETTER WITH RJ & AL”

デビュー作から約3年、SOUL POSITIONが帰って来た。RJD2とBLUEPRINTお互いのソロ活動が活発だったお陰でそれほどのブランクは感じないが、正に「待望」のセカンド・アルバムだ。

まずBLUEPRINTについてだが、壮大なイントロに続く冒頭の2曲”NO GIMMICKS”、”HAND-ME-DOWNS”で自らのスタイルに対する自信を語り、まやかしが横行するヒップホップ・シーンの現状を嘆いているのに象徴されるように、アルバムを通して地に足の着いた自らに正直なリリックをお馴染みのファンキーな抑揚で語っている。”I’M FREE”では、全てのラインに”FREE”という単語を織り交ぜつつ様々な「自由」についてラップして優れたリリシストとしての顔を見せ、”THE COOL THING TO DO”では幼い姪にマトモな男の見分け方を言って聞かせる。

RJD2も相変わらずの好調ぶりをキープ。シンプルなドラム・オンリーで始まりつつも徐々にストリングス・ループが入ってくる辺りが流石といった感じの”NO GIMMICKS”以降、典型的なRJD2節が展開する。全体的に、ハードなホーン・ヒットやリズム・ギターを多用したファンキーなトラックが目立ち、BLUEPRINTのラップが最大限に映えている。抑えたトーンで淡々と進行する”KEYS”や、70’s後半のディスコ的な”PRICELESS”辺りは良いアクセントだ。

ベスト・トラックはアルバムを締めくくる”THINGS GO BETTER”。せわしなく突き進むRJD2のトラックもドープだし、SOUL POSITIONの歴史を振り返りながら未来への希望を覗かせるBLUEPRINTも最高の仕事振りだ。文句無し。

両者ともソロ活動が順調なせいか、SOUL POSITIONではお互いを活かす事に重点を置いているように見える。デビューEP”UNLIMITED EP”で最初から宣言されていたように、本作にもターンテーブルとマイクだけで勝負する古典的なヒップホップ・デュオとしてのSOUL POSITIONのスタンスは揺らがず、GANGSTARRやPETE ROCK & CL SMOOTHの正統な後継者と言えるのではないだろうか。