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OF MEXICAN DECENT “EXITOS Y MAS EXITOS”

西海岸を中心にVISIONARIESやMIND CLOUDERS等のメンバーとして、またソロとしても活発な活動を続ける2 MEXと、XOLOLANXINOによるロサンゼルスのヒスパニック系デュオのファースト・アルバム。強烈な個性を放つAFTER LIFE所属のアーティストの中では、非常にストレートなアルバムである。無骨な2 MEXに比べて、甲高い声で歌うようにトラック上を跳ね回るXOLOLANXINO。2人のコンストラストがまずは完璧だ。

EVIDENCEの手によるラテンっぽいギター・ループがドープな”I AM STILL”でアルバムは幕を開ける。自然について語るXOLOLANXINOのユニークなデリヴァリーに圧倒され、2 MEXは自由思想について。ドープ。2 MEXが神について語る”THE CLASH”、IRISCIENCEのスタイルの元がわかる、イレギュラーなドラムがドープな”MEDICATION”、”MONEY IS MEANINGLESS”では、ヒップホップ・シーンのみならずアメリカ全体を蝕む物質至上主義を痛烈に批判。「金を燃やして車をぶっ壊そう/スターになる夢なんか叩き壊せ/両親が泣き出すまで抱きしめよう/そして世界が死にゆくのを見るんだ」サビが全てを語っている。NOBODYのドープなトラックと併せて、アルバムのベスト・カット。後半のライヴ音源は即興性が強く、彼らがどこから来たか教えてくれる。2 MEXが歌詞を忘れてフリースタイルに移行する辺りは、ヴェテランのヴェテランたるゆえんだ。

AFTER LIFEクルーの変態的なトラック/ラップが苦手な人も多いかもしれないが、このアルバムは一般のリスナーにも聞き易くなっていると思うので、今まで彼らを敬遠してきた人達には、特に聞いて欲しい。たった38分のアルバムだが、中身は濃密だ。

このアルバムを気に入ったら、彼らのヴィデオもチェック。ライヴが見れます。

XOLOLANXINXO “NAMES”

XOLOLANXINXOと2 MEXは比較的似たタイプのMCであるから、2人のグループOF MEXICAN DECENTではどうしてもより押しの強い2 MEXの方に光が当たってしまう。仕方がないといえばそれはそうだが、デリヴァリーやリリカル面でのスキルって事で言えば、2人の実力に差はないと言える。

アルバムタイトルどおり、それぞれの曲名に人名を付け様々な人生を語るとは、実に面白いコンセプトだ。自らの人生に何の希望も見出せない”MARINA J ANDERSON”の物語が、トラックの出来も併せて頭一つ抜けた出来だが、それ以外の曲も総じて良い。そこで語られている物語がどんな形であれ共通しているのは、現状から脱出しようともがく人間の姿。”ヒップホップは痛みの音楽だ”と言ったのはBOSS THE MCだったが、XOLOLANXINXOにしろSLUGにしろ、優れた地下のMC達は何処にいようと共通の価値観を共有しているように見える。

コンセプチュアルなアルバム構成に相応しく、プロダクションはDEESKEEの手に一任されていて、彼の充実した仕事振りがこのアルバムを完成度の高いモノにするのに貢献している。ネタ選びやドラム・プログラミングに新鮮味はないが、チカーノ・ロックが好きだというDEESKEEの嗜好性が如実に表れたトラックは歌心溢れるXOLOLANXINXOのデリヴァリーにはピッタリだし、アルバムのコンセプトをより強固にしている。ドープ。

ゲストMCも無し、プロダクションも全てがDEESKEEというこのアルバムは、そのお陰か、トーンの一定した極めて的が絞られた仕上がりだ。2人の相性がここまで良いとは思っていなかったし、XOLOLANXINXOというMCがこうしたコンセプチュアルなアルバムを作った事も驚きだった。現時点での一つの到達点。