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REFLECTION ETERNAL “TRAIN OF THOUGHT”

シンシナティから登場したTALIB KWELIとHI-TEKのコンビ、REFLECTION ETERNAL。MCのTALIB KWELIはニューヨーカーだが、DJ/プロデューサーHI-TEKがシンシナティ出身という事もあり、LONE CATALYSTS、MOODなどを配するWANNA BATTLEクルーの一員でもある。ソウルフルなトラックにポジティヴなライムを持ち味とする彼ら、PETE ROCK & CL SMOOTHやGANGSTARR直系といった所か。

TALIB KWELIは、80年代後半から90年代前半に流行した、意識の高いプロ・ブラックなライムを巧みなスキルによって現代に蘇らせる。その題材はヒップホップの現状から男女問題までと幅広い。自らの幼少期をヒップホップ体験などを絡めてネガティヴィティとポジティヴィティについてライムする”MEMORIES LIVE”は中でもベストだが、真のヒップホップの死を嘆くのはまだ早いと謳う”TOO LATE”、美しいラヴ・ソング”LOVE LANGUAGE”、道を踏み外すなと説く”GOOD MOURNING”や4つの物語を通して女性の味わってきた苦しみを歌う”FOR WOMEN”など、唸らされる。他にも、バトル・ライム”SOME KIND OF WONDERFUL”、”AFRICA DREAM”や、MOS DEFと共に、ニューヨークについて歌う”THIS MEANS YOU”辺りもドープだ。

さて、相棒HI-TEKのトラックは、一言ソウルフルだ。サンプル・クリアランスの関係だろう、初期のようなモロ使いはなりを潜め、サンプルをフリップしたモノが増えている点は寂しいが、それでも全編に渡り良い仕事をしている。ファンキーな”MOVE SOMETHIN’”や”DOWN FOR THE COUNT”のようなモノから、女性ヴォーカルをフィーチャーした”THE BLAST”や”TOO LATE”、”LOVE LANGUAGE”のようなモノまで、極めて高水準。特に、”TOUCH YOU”の終盤のギターソロや、スムースな中にも緊張感を漂わせる”FOR WOMEN”はドープこの上ない。

取り敢えず、TALIB KWELIとHI-TEKのコンビネーションは完璧だ。だが、2人の曲に比べゲストを招いた曲が少し弱いのが気になった。ゲスト無しでタイトにまとめた方が賢明だったのではないだろうか。

TALIB KUWELI “QUALITY”

もはや方向性を完全に見失った感のあるRAWKUSだが、このTALIB KWELIのソロ・プロジェクトは唯一の望み。最後の牙城と言って良い。

ギターもノイジーな”RUSH”、KANYE WESTが賛美歌のようなトラックで迎え撃つ”GET BY”、ラガ風味の”GUN MUSIC”と、出だしは好調だ。TALIB KWELIのフレキシブルなデリヴァリーも冴え渡っているが、中盤に向って徐々に雲行きが怪しくなってくる。MOS DEFとの”JOY”にかつてのマジックはないし、ポッセ・カット”GUERRILLA MONSOON RAP”も凡庸な仕上がり。”WAITIN’ FOR THE DJ”や”PUT IT IN THE AIR”といった、所謂クラブ・チューンはチグハグな印象を拭えない。

そういった意味でも、メロディアスな曲が続く後半の流れは素晴らしい。オクラホマの事件、大統領選、そして9.11に至るアメリカの偽善を突く”THE PROUD”から、甘酸っぱいラヴ・ソング”WON’T YOU STAY”まで、TALIB KWELIの時に呟くように、時にアグレッシヴにと変化する語り口と、ソウルフルなヴォーカリスト達との絡みは、アルバム最大の聴き所だ。特に、彼ら周辺の作品でお馴染みの女性ヴォーカリスト、VINIA MOJICAがセカンド・ヴァースを任された”STAND TO THE SIDE”は良い。THE SOULQUARIANSによる”TALK TO YOU (LIL’ DARLIN’)”よりも、ヒップホップとスポークン・ワードの要素を一曲の中で自然に溶け込ませる事に成功している。

HI-TEKとのコンビネーションでは成しえなかった事が何か成されているかと言えば、答えはノーだが、BLACKSTARからREFLECTION ETERNALへの流れの中で築かれたフォーミュラを、自然な形でスケールアップさせている。極めて順当なソロ・アルバム。