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EXTENDED FAMM “HAPPY FUCK YOU SONGS”

バトルMCとしても名高い4MC、TONEDEFF、PACK FM、SUBSTANTIAL、SESSIONによるユニット、EXTENDED FAMMのアルバム。ジャケットの、エアロビのインストラクターも真っ青な4人の笑顔の通りなアルバム。

全員良いが、やっぱりTONEDEFFの超絶フロウが聴き所。ベスト・カット”THE EVIL THAT PENS DO”にしてもそうだし、”VELOCITY”での超早口フロウも凄まじい。彼には、これ具合のポップさが良く似合う。リリック的には、”OBLIGATORY POSSE CUT”が一番。頭で「カメオ・ヴァースなんてもう充分だろ」とか言ってるTONEDEFFを筆頭に、「こんな連中と一緒にやりたくねーよ」、「半分は知り合いじゃないし」とか、しまいには「ポッセ・カットなんて嫌いなんだよ」、「EXTENDED FAMMが既にポッセなんだから、ポッセ・カットなんて必要ねーんだよ」とか言ってる、凄まじいポッセ・カット。携帯電話での会話を題材にした”CELLY”も、電波が悪いせいで聞き間違いまくって伝言ゲームみたいになるという、何の中身もないが最高だ。スクリブル・ジャムMCバトルのパロディ”PEBBLE JAM”は、あんまり面白くないけど。

トラックはどれも良い。”THE EVIL THAT PENS DO”や”LINE DROP”、”VELOCITY”辺りが特に彼らのキャラクターや声、フロウに良く合っている。ほぼ全曲をTONEDEFFが担当してるが、自分が一番格好良く響くトラックばっかりな気もする。

ポップなくせに、聴く人を選ぶアルバム。普段ディープなのばっかり聴いてる人にお勧め。

TONEDEFF “HYPHEN EP”

幾つかのシングルやフィーチャリングで名を馳せたニューヨークのMC、TONEDEFFによる、コンピ収録曲やら、フリースタイルやらを集めたアウトテイク集。

彼の魅力はその流れる様なフロウだ。ポップ・チャートでも大ヒットしそうな”SPANISH SONG”や”MOVE IN,RIDE OUT”のような曲を、ココまで聴かせるのは意外に難しいものだ。特に、いわゆるバウンスモノの”MOVE IN,RIDE OUT”はドープで、とにかくキャッチーなサビに、最高のデリヴァリーを聴かせていて、メインストリームでも成功する可能性を垣間見れる。これを聴いても体が動かない人は、医者に見てもらったほうが良い。かと思えば、TONEDEFF自身がプロデュースした”FAST”では、完全に歌っていて(しかも上手い)、ドラムンベース調のスペイシーなトラックと併せて、前に挙げた2曲とは正反対の世界を作り出していて興味深い。とんでもなく場違いな曲であるのも確かだが。

他の曲ではストレートにライムスキルを披露していて、シンプルなトラックでのバトル・ライム”BATTLE RHYME HOOKERS”、フリースタイル”MIXTAPE MEDLEY”、ストリングスがドープな”THE BOOK OF THE DEAD”などなど、タイトなライミングにパンチライン、ドープ。

だが、その幅の広さ自体が弱点でもあって、彼の方向性、オリジナリティを不明瞭なものにしてしまっているのも確かだ。アーティストはよく、”名刺代わり”というが、このデビュー作は正にそれだ。まだ彼の全体像は見えないが、その辺はアルバムに期待したい。”MOVE IN RIDE OUT”で聴けるキャッチーさと “FAST”に顕著なプロダクション・スキルが同じ方向で一つになれば、興味深い。

余談だが、このCDはエンハンストになっていて、パフォーマンスの模様や仲間たちとのホームヴィデオ、オーディオ、リリック集なんかが入っていて、楽しめる。JUGGAKNOTSのBREEZLY BRUINもチョットでてます。