B-MOVIE FRIENDZ “THE HIDDEN TALENT DISK”

”B級映画中毒”などというグループ名と、購入意欲をあえて削ごうとしているかのようなジャケット。B MOVIE FIENDZは、JOHNNY PUERTOCHINKO というプエルトリコと中国のハーフのMCが中心となり、 ENIGMAとMILO FREAKの2人のMC、DJ ILL BEN、ベースのB-MOVIE BOB、ドラムのMONSTARR MIKE によるライヴ・バンド。ゲストの人選から予想出来るように、シカゴのグループだ。

ライヴ・バンドといっても、THE ROOTSの様なサウンドを期待すると肩透かしを食らう。アルバムの殆どはMIC ONEらの手掛ける100%ヒップホップな音作りで、生バンドモノは数曲のみ。トラックを手掛けるMIC ONEがマイクも握った”DIRTY PAIR”は、ユーモラスなバトル・ライム。ライム的にはバトル・ライムが中心だが、MIC ONEに加えTHAWFORが参加した”STREET WISE”は、リスナーをストリートのライフスタイルに案内してくれる。RUBBEROOMの2人がそれぞれバラで参加した”B MOVIE FIENDZ”と”FREE”(アルバムのベスト・トラック)は、やはり彼らの重厚なラップを支えきれていない。THE OPUSとの完璧なコンビネイションと比べるのは酷というモノか。

さて、”PUPPET MASTER MC”、”FREESTYLE #7″、”WHAT I WOULDN’T DO ‘99″が、生バンドをバックに従えた曲。これが、特別テクニカルな訳ではないが、ナカナカの出来で、コチラをメインに据えた方が良かったのではないか。ラップすらしていないデスメタル調の”STOMP”は流石に場違いだが。

グループ名等から想像するより、非常にオーソドックスなアルバムだ。それ以外はMOLEMENに代表されるミニマムな音作り。バンドモノとの落差が凄まじい。当然のように、アルバムとしてのまとまりは無く、各曲のクオリティもあまり高くはない。