REKS “ALONG CAME THE CHOSEN”

ボストンを代表するレーベル、BRICK。MR LIFやINSIGHTを始め、数々の才能を発掘してきたレーベルから、REKSがシングルに続いてアルバムを発表した。

REKSは、声質やフロウにこれと言って特徴がある訳でもなく、ずば抜けたリリシストでもない。ストリートの現実(”FROZEN MOMENTS”)、人生に付き物の苦しみ(”SOUL OF BLACK FORK”、”SCIENCE OF LIFE 2″)、男女間の軋轢(”TILL DEATH DO US”)、サッカーMCモノ(”TO WHOM IT MAY CONCERN”)、自己顕示モノ(”YOU AIN’T NEVER HEARD OF ME”、”SKILLS 101″)、パーティーモノ(”EASY”)等、いたって使い古されたトピックばかりではあるが、それなりにタイトにまとめている。

ゲストが参加したモノでは、ED OGがボストンの大先輩として燻し銀のフロウを聴かせる”SKILLZ 201″と、総勢8人によるマイクリレー”FINAL FOUR”が良い。

殆どのトラックを担当したSOUL SEARCHERSも、かなり健闘している。”YOU AIN’T NEVER HEARD OF ME”、”FINAL FOUR”、”ENEMY KILLA”のようなファンキーなモノから、”TO WHOM IT MAY CONCERN”、”FEARLESS”、”TILL DEATH DO US”のような緊張感のあるモノ、”SCIENCE OF LIFE 2″、”FROZEN MOMENTS”のようなスムースなものまで、幅広い作風(散漫さはない)でリスナーを飽きさせない。

特筆するような所はこれと言ってないアルバムではあるが、タイトなラップに、魅力的なトラックの数々。あまり期待してなかったからかも知れないが、非常に良い印象。だが、特に個性がないので、素通りされ易い作品ではある。そこは次回作に期待したい。