BOAC “MODERN ORIGINALUS”

サンフランシスコのTHE EARTHLINGSのメンバーであるBOAC。同じくメンバーのBOOTLEGのバックアップによるソロ・アルバム。

全体にジャジーなプロダクションをフィーチャーしたこのアルバム、まず”THE SPECIALIST”が気に入った。エレピのループに印象的なベースライン、ライトなドラムスがBOACの軽快なスタイルと抜群の相性を聴かせる。”ACTUAL BLIMP MODE”は、ドープなギター・ループが冴え渡るイケイケ・バトル・チューン。サビは若干場違いだが、タイトだ。アルバム前半の個人的なハイライトは、ポッセカット”WAR OF THE WORLDS”。幻想的で壮大なループが次々に登場、オリジナルな世界観を構築している。後半では、”I HATE PHAT PEOPLE”が最もドープなドラムを聴かせてくれる。

リリック面では、BOACが記憶喪失から立ち直ろうとする”AMNESIA”が一番面白かった。

全体に地味なのは否定できないが、BOACのラップ、BOOTLEGのプロダクション、どちらも悪くない。インタールードも面白いし、アルバムを通して退屈のしない出来だ。