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とにかく、どの曲も”ILLMATIC”以降の作品では最高レベル。NASが育った時代を当時の社会背景を織り交ぜライムする”DOO RAGS”、ハードボイルドなポエティック・ライムが炸裂する”NO IDEA’S ORIGINAL”、ストーリーテリングの最高峰”BLAZE A 50″、自らの苦悩を吐露する”DRUNK BY MYSELF”、矢鱈キャッチーなフックとは裏腹に、黒人社会を取り巻く問題を語る”BLACK ZOMBIES”などは特に、類稀な洞察力と知性、表現、詳細な描写に満ちている。これこそNAS。
このアルバムを強力に締めくくるのは2曲のパーソナルな曲で、父親についての”POPPA WAS A PLAYER”、母親に捧げた”FETUS”だ。特に”FETUS”は、NASが母親の子宮にいるところから生まれるまでをライムするという曲で、現代最高のリリシストの一人という称号に相応しいNASの姿が、久しぶりにここにある。
これでトラックも最高峰なら完璧だったのだが、やはり”ILLMATIC”と同等、もしくは超えているモノはない。別にダサいモノは一つもないし、アルバムの質を落とす類じゃないので文句は言えないか。