CAPITAL D & MOLEMEN “WRITER’S BLOCK (THE MOVIE)”

CAPITAL DがMOLEMENと共に、母体ALL NATURALの代表曲の一つ”WRITER’S BLOCK”の名を冠したアルバムをリリース。副題に”THE MOVIE”とあるように全曲ストーリーモノというコンセプト・アルバムだ。

元々ALL NATURALとMOLEMENはよくコラボレートしてる訳で目新しさはないが、このアルバムでCAPITAL Dは、自身のストーリーテリング・スキルの高さを存分に披露している。淡々とした冷静沈着なデリヴァリーはハードボイルドな雰囲気すら醸し出す。流れ弾の犠牲になる一般市民を描写する”CROSSFIRE”や友人を蝕むドラッグの物語”DU’S (STEVIE WONDER)”、金が人間に及ぼす影響をキャラクターの背後に浮かび上がらせる”PAPER CHASE”に”CURRENCY EXCHANGE”、そして現代女性を取り巻くシングル・マザー等の問題を扱う”CAUSE & EFFECT”や”YOUNG GIRL LOST”等など、社会問題を取り上げたモノも良いが、近所に住む老女の物語”MRS. MANLEY”が個人的にはベスト。エモーショナルだ。

THE MOLEMENのトラックは、基本的にいつも通りシンプル。どのトラックもCAPITAL Dが語る物語を引き立てている。”WRITER’S BLOCK PT.2″、”MRS. MANLEY”、”CAUSE & EFFECT”辺りは特に気に入った。”MIDNIGHT”などのインタールードも良いね。

CAPITAL Dのリリックはなかなか良いし、MOLEMENのトラックも昔に比べ質が上がってきていて、充実している。何かいつもと違う事をやってみて欲しいのも事実だが。