NECRO “GORY DAYS”

ここ日本では全く無視されている、NECROのセカンドアルバム。ラッパーとしてだけでなく、プロデューサーとしても非凡な才能の持ち主なので、イロモノ的な見方は横に置いて欲しいが、歌詞の内容が内容だけに難しいかな。

いかにも、のNECRO節が聴けるのが、”DEAD BODY DISPOSAL”。「バスタブで血を抜くときは/汚れない様にまず服を脱げ」とか「どんな方法でやるにしろ、レンタル品と指紋には気を付けろ/偽のIDと現金を使え」とか、死体を処理する際の注意事項を事細かに指南してくれる。役に立つ時が来ないようにしましょう。前作では、オールドスクールからの借用が効果的だったが、今回は少し多用しすぎかな。しかも前作の”I NEED DRUGS”程のインパクトのある使い方は無く、手抜きっぽさすら感じるほど。BIGGIEの”TEN CRACK COMMANDMENTS”をもじった”12 KING PIMP COMMANDMENTS”(ヒモの12ヶ条を)はまだしも、”ALL HOTTIES EAT THE JIZZ”でのBIZ”NOBODY BEATZ THE BIZZ”、”DEAD BODY DISPOSAL”でのSALT N PEPA “LETS TALK ABOUT SEX”、ヒップホップ・クラシック以外でも、”LIGHT MY FIRE”(女性のあり方について)はその名の通りDOORSの同名曲から、それぞれサビを持って来ている。

高水準であるのは確かだが、前作との差異が殆ど無いのでインパクトは薄く、少し失望させられた。ビート面でだいぶ進歩したのだから、ライム、コンセプト面でも、もう少し新たな側面を聴かせて欲しかった。それでも、充分に水準以上のアルバムにはなっている。

因みに、前作とこのアルバムの間にも、フリースタイル/未発表ヴァージョンを収めた物が3枚と、インスト・アルバム(何と無謀な)を出している。チョット出しすぎじゃ無い?