DEESKEE “THE COMPONENTS OF A PERFECT SUICIDE”

ベイ・エリアのハードワーキング・プロデューサーDEESKEE、本人名義の第2弾。確実な成長が見られる充実したアルバムになった。

今作のメインも、当然インスト曲。幻想的な”ANOTHER DAY, ANOTHER NIGHT”は前作の路線に忠実だが、メランコリックな”SLIPPING THROUGH THE CRACK8″は新機軸といえる。心地良いギターループが作り出すグルーヴにやられっぱなしの、ノスタルジックな名曲だ。”COMPONENT A”には前作の悪い面が出てしまっているが、白昼夢”NEGATIVE SPACE”、ジャズ・ギターとマッシヴなドラムがいい感じの”COMPONENT B”、レイドバックしたジャズ・ファンクを展開する”UNTITLED”など、文句ナシにドープだ。

冒頭、RADIOINACTIVEをフィーチャーした”BEYOND THE JAWN”は、正統派ファンク・サウンド。RADIOINACTIVEがこういったトラックでライムする事はあまり無いので、フレッシュだ。だらけた”TRAVELING (FREESTYLE)”も良い。

前作とはうって変わって、ヴァラエティに富んだトラックに唸らされる。これといったオリジナリティ個性こそ感じられないものの、どれもなかなかのクオリティ。