DEMIGODZ “THE GODZ MUST BE CRAZY”

SAGE FRANCISの”STILL SICK”で凄まじいフリースタイルを披露していた男、APATHY。彼の所属するクルー、THE DEMIGODZによる初のEPが、YESHに続いてILL BOOGIEのEARPLUGシリーズ第2弾としてリリースされた。APATHY、CELPH TITLED、LOUIS LOGIC、L-FUDGE、RISE、ESOTERICといったお馴染みの面子に加え、METROPOLIS、ONE TWO、MOTIVE、JABBER JAWなどの無名MC、渋い所ではYAGGFU FRONTのSPIN 4THが名を連ねるTHE DEMIGODZ。これだけの人数を抱えているのだから、イントロを除いて僅か6曲というヴォリュームは明らかに少ないが、無いモノねだりはよそう。

やはりと言うか、THE DEMIGODZの顔APATHYとCELPH TITLEDが全編に渡って活躍している。一曲を除いて2人が手掛けるトラックがまずは良い。DR DRE”CHRONIC”のイントロをそのままパクッたイントロに続いて、ファンキーな曲が並んでいる。特筆すべき点は何も無いが、タイトだ。個人的には、CELPH TITLED手掛ける”SCIENCE OF THE BUMRUSH VOL.2″と”THE DEMIGODZ”が好みだ。リリックは基本的にバトル/フリースタイル、パンチライン。ファンにせがまれてフリースタイルをかます”OFF THE CHROME”などは典型的だが、クルー総出のポッセカット”THE GODZ MUST BE CRAZY”が圧巻だ。全員が印象的なパフォーマンスを残すが、フロウの多様性なども含めて、ラストを締めくくるAPATHYが貫禄を見せている。

不満が無いわけじゃないが、名刺代わりのEPとしては充分にドープ。APATHY、CELPH TITLED、LOUIS LOGICの3人がやはり一番目立っているが、他のメンバーも今後が楽しみな限り。バトル・ライムも良いが、アルバムではもっとトピックの幅を見せてもらいたい。