DJ JAZZY JEFF “THE MAGNIFICENT”

JAZZY JEFFのデビュー・アルバム!!擦りでクラウドを沸かせていたのも今は昔、すっかり大人なプロデューサーとなった感がある。かつての相方WILL SMITHが世界的スターとなるなか、自身のプロダクション・チームA TOUCH OF JAZZと共にフィラデルフィアの音楽を支えてきた彼。遅すぎたアルバムだ。

アルバムの内容だが、やはり歌モノに耳が行く。特に、リリックも含めてマービン・ゲイを彷彿とさせるRAHIEMの”MY PEOPLE”なんかはへヴィー・ローテーションだし、”HOW I DO”や”ROCK WIT U” も流石の出来だ。ラッパー絡みの曲でも、”KNOW UR HOOD”や”LOVE SAVIOUR”みたいに、シンガーをフィーチャーした曲の方が収まりが良い。CHEFの”SHAKE IT OFF”とかFREDDIE FOXXとの”SCRAM”は非常に良い出来なのだが、やっぱり、このアルバムをプレイヤーにセットするのは、”MY PEOPLE”みたいな曲を聴きたい気分の時だろう。なんにせよ、どの曲も余裕の高水準だ。

幾つか不満もあって、例えばKENNY DOPEとLOUIE VEGAが手掛けたハウス・チューン”IN TIME”がアルバムを締めくくっている事。JILL SCOTTがポエトリーを聴かせるROY AYERSのカヴァー”WE LIVE IN PHILLY”ほどアルバムのラストに相応しい曲もないと思うのだが。もう一つは、これは期待するほうが間違っているのかもしれないが、やっぱりかつてのような派手な擦りメインの曲も聴きたかったなー。多くのDJが参加した”BREAK IT DOWN”なんてあっという間だし、もうそっちに興味はないのかな。長いキャリアで初のソロ名義なのにインスト曲もないし、根っからの裏方気質なんだろうか。

基本的に、JAY DEEやSEAN Jの音に反応する向きには文句の付けようのない内容だ。これまでのBEAT GENERATIONシリーズ中でも、最もマス・アピール度の高いアルバム。