EMANON “ANON & ON”

MCのALOE BLACCとプロデューサーのEXILEは、カリフォルニアの2人組。これまでSPYTECHからのシングルや自主アルバムで知るひとぞ知る存在だった彼らの、ほぼ初めてマトモにディストリビュートされるEPだ。ILL BOOGIEのEAR PLUGシリーズ第三弾となる本作で、ようやく正当な評価を受けれるだろう。

ポジティヴなトピックを中心としたリリックは、スムースで心地良いトラック上で最高に効果的に響く。哀愁漂うトラックに歌うようなサビがドープな”WHAT YOU LIVE FOR”での、シンプルで知的なALOEの人生哲学などはその最良の例だが、CHEAPSHOTが最高に心地良いギターループを用意した”BLIND LOVE”で聴ける恋愛話、EXILEが負けじとスムースなギターを奏でる”RUNAWAY”で流れるようなデリヴァリーで語られる自己分析と反省など、トラックとライムが最高の相性で何とも真摯な雰囲気を作り出している。そして、ベスト・トラック”WHAT CAN I DO”では、口だけで何もしない人間を批判し、自らに何が出来るかを問う。締めくくりは、最高にファンキーなEXILEのスクラッチ・トラック”A DAY IN EXILE”だ。

僅か30分だが、彼らのポテンシャルを知るには充分すぎるほど。これまでの作品と比べて大分スッキリした印象だ。彼らには、メジャーでも成功するようなポップさがある。昔からのファンにも、新たに彼らを知った人にもお勧め出来る内容になっていると思う。