FLYNN “LOUDER”

再発されたFLYNNのソロ・アルバム。L.A. SYMPHONYクルーからの記念すべき第一弾リリースだそうで。

普通の人間の感情を装飾ナシにライムするFLYNNのリリックの端々から、彼が敬虔なクリスチャンである事が伺える。ハイトーンでリズミカルなデリヴァリーもそうだが、奇をてらった所のないFLYNNのラップは単純にドープだと思う。身内で固めたゲスト陣との相性の良さは言うまでもないが、このアルバムのハイライトはというと、”MISS PIONEER (XANADU MIX)”から”DIRECTIONS”へと繋がる辺り。

キーボードにギター、ホーンを基調としたスムースなトラックはどれも水準以上。ドラムも打ち込みこそ単調だが、この西海岸の気候みたいに乾いた感じは嫌いじゃない。跳ねたラップにこれほど無くマッチしているし、L.A. SYMPHONYファンならド真ん中でしょう。

突出した魅力こそないが、確かなライム・スキルとビートの詰まった暖かいアルバム。ファンなら満足のいく内容でしょう。たまには外部の連中とのコラボも聴いてみたい気もするんだけど。