GIFT OF GAB “4TH DIMENSIONAL ROCKETSHIPS GOING UP”

ソロでの活動というのは、やはり如何にグループとの差別化を図るか、に尽きると思う。CHIEF XCELというBLACKALICIOUSでの最良のパートナーの元を離れ、シアトルが誇る奇才、JAKE ONEとVITAMIN Dの助けを借りて作り上げられたGIFT OF GABのソロ・アルバム。

GIFT OF GABの才能に関しては、改めて解説する必要もないだろう。深みのあるデリバリーにライム。生きる事の素晴らしさを説く”WAY OF THE LIGHT”、第3世界の貧困に付いて言及する”UP”、今は亡き叔父に捧げた”IN A MINUTE DOE”、希望に満ち溢れた”MOONSHINE”など、対象は様々だが、どの曲も普遍的なメッセージを含んでいる。”TO KNOW YOU”は、シットリトした大人のラヴ・ソング。ヴァラエティに富んだリリックもさる事ながら、デリバリーの引き出しの多さも流石だ。

JAKE ONEとVITAMIN Dが分担するプロダクションは、一言で言って素晴らしい出来。クリスピーで硬質なドラムスなど、”感情豊かなDR. DRE”とでも言いたくなるような、メジャー感溢れる佳曲が満載。”RAT RACE”なんかは、そのままSNOOPが出てきそうなファンキーさ。実に繊細で丁寧な仕事振りで、この2人は今後さらに飛躍するだろう。

ソロ・アルバムというと、スター・プロデューサーを集めたコンピレーションまがいの駄作になってしまう事が多々あるが、今回は実にスマートにまとめたと思う。一貫性のあるプロダクションもそうだが、ゲストを極力排したストイックさも彼らしい。