AL’ TARIQ “GOD CONNECTIONS”

THE BEATNUTSの元メンバー、FASHION改めAL’TARIQが脱退後の1996年に発表したファースト・アルバム。元THE BEATNUTSという肩書きも空しく、あまり話題性のなかった作品だった。しかし、オリジナルメンバーであるPSYCHO LESとJUJUがプロデュースやボーカル等でアルバム全体に携わっており、THE BEATNUTSの作品といっても過言ではない(何と、INTERLUDE等を除き、プロデュース面はほぼTHE BEATNUTS名義!!)。そのため、本当に勿体ないと思ってしまう。もっと評価されるべきである。そういえば、AL’ TARIQのように脱退後もオリジナルメンバーとの交流のあるアーティストは、意外と少ないのではないのだろうか。

ファースト・シングル”DO YO THANG”とセカンド・シングル”EVERYBODY’S TALKIN’”は必聴。THE BEATNUTSプロデュースの作品が多いからか、ファンキーなトラックとラップの調和がリスナーをそそる。”EVERYBODY’S TALKIN’”は、COMMONのトラックを手掛けていたNO I.D.がプロデュースを担当している。この曲でAL’TARIQは、「FASHIONではなく、AL’ TARIQがやる」と断言しているのだが、THE BEATNUTSからは完全に抜け切れていないように見えて仕方がない。だが、”SPECTACLAR”を聴けば、彼の今後への野望が窺い知れる。この曲にはGOD CONNECTION名義で彼の新クルー達が多数参加しているのだ(PLOBLEMZ、A-MASSACRE、BLACK ATTACK、SK)。2000年には、GOD CONNECTIONのPLOBLEMZとBLACK ATTACKとの三人でMISSIN’ LINXとして”EXHIBIT A”というEPを出している(勿論、ゲストにJUJU)。その後もDJ HONDA、THE BEATNUTS等の作品に少なからず顔を出す彼だ。今は、充電期間だと思い、気長に次回作のリリースを待ちたい。

ちなみに、この作品の日本盤にはNIKKIというボーナストラックがある。勿論、プロデュースはTHE BEATNUTS。

(Bil-Vill)