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彼らは3MCのグループなのだが、まずは何も言わずに”MENTAL TO THE MIND”を聞いて欲しい。セカンド・ヴァースを歌うこのMC、DOC SOOSE。とにかく彼のラップは、その奇妙な声(ヘリウムでも吸ったみたいな声)、デリヴァリー、全てが恐ろしく個性的で、一度聴いたらまず忘れないだろう。後の2人、FALAH SALAAMとSPECはオーソドックスなスタイルながら、そのタイトなライムスキルでSOOSEの毒を中和していて、グループとしてのバランスも絶妙だ。個人的なベストは、R&B調のヒップホップをコケにした”MS R&B SINGER”だ。サビが最高。「ミスR&Bシンガー/お前がどんなルックスだろうが、歌が上手かろうが/俺の曲のサビは歌わせないぜ」。
人種問題を扱ったシリアスな”FLESH & DIRT”、カントリー以外のあらゆる音楽に捧げた”LIFE WITHOUT MUSIC”もドープだし、”MC’S ARE BORN”ではSOOSEが、自分と音楽業界の関係を夫婦に例えてライムしていて、ドープ。パーティーチューン”MY RHYME AIN’T DONE”も嫌いじゃない。
トラック面で今ひとつ強烈な印象を残せていない点が残念だ。次回作までに、SOOSEのラップに負けない程の個性とクオリティを音に持たせる事が出来れば、無視できない存在になる可能性を彼らは秘めている。取り敢えず、イマイチ見えてこないデトロイト・シーンの片鱗を垣間見させてくれた事は感謝したい。