THIRSTIN HOWL III “SKILLIGAN’S ISLAND”

既存のインストを使って何枚ものアルバムをリリースしてきたブルックリンのTHIRSTIN HOWL III、初のベスト・アルバム。音質も良くなっているし、正にベストなアルバムと言える。

THIRSTIN HOWL IIIといえば、歪んだユーモアとアグレッシヴなフロウ。アニメ・キャラとのファックを夢見る”DREAMS OF FUCKING A CARTOON BITCH”や実家で親と一緒に住む事の良い点をラップする”I STILL LIVE WITH MY MOMS”、12インチも出てるEMINEMとの”WATCH DEEZ”、バイ・セクシャルの自分の彼女にレズ・プレイを見せろとせがむ”I WANNA WATCH”なんかはその典型。とにかく下らないライムと唾が飛んできそうなアグレッシヴだが意外とフットワークの軽いデリヴァリー、ミスマッチで面白い。THIRSTIN HOWL IIIには悪いが、”WATCH DEEZ”のEMINEMはドープの一言、完全に喰われてます。

既存のインスト使いは別にして、オリジナル・トラックも悪くない。THIRSTIN HOWL III自身が手掛けた”THIRSTYMAN”や”WALK THE WALK, SPIT THE SPIT”も彼のキャラクターに良く合ってるし、P.F. CUTTINも”THE POLORICAN”や”DREAMS OF FUCKING A CARTOON BITCH”で良い仕事をしている。

今から彼のアルバムを全部揃えるのもアレだし、このアルバムがあれば事足りる。彼の最高の仕事が、マトモな音質で一枚に詰まっている。これで少しは注目されるかな?