AESOP ROCK “DAYLIGHT EP”

既にクラシックとなったアルバム”LABOR DAYS”から半年。中でも際立っていた”DAYLIGHT”をメインに、新曲を追加したEPがリリースされた。

“DAYLIGHT”については、”LABOR DAYS”のレビューを参照して欲しい。美しいトラック、ライムはいつ聴いても素晴らしい。そして”NIGHT LIGHT”。今度は夜になった訳だ。”DAYLIGHT”のリリックを基本にしながら、夜について語られてゆく。トラックもオリジナルには及ばないが、正に夜な感じだ。遂にと言うか、EL Pとの共演が実現した”NICKEL PLATED POCKETS”。ビートはタイトながら特筆すべき程ではないのが残念だが、AESOPは絶好調。”俺には20の黙ってろ!って言い方がある/その内19は24章節だが、残りの1個はこんな感じだ….黙ってろ!”。CAN OXのVASTがホームレス役で登場する辺りも面白い。

最近、徐々に支持者を増やしているオハイオのWEIGHTLESSクルーからBLUEPRINTが参加した”ALCHEMY”は、そのBLUEPRINTの手によるジャジーなトラックがドープ。ここでは、BLUEPRINTが冴えまくっている。”お前らに俺を貶す理由を与える前に/イルなアルバムをドロップしてボビー・フィッシャーみたいに消えるぜ”….ドープ!BLOCKHEADのインスト”FOREST CRUNK”を挟んで、”BRACKET BASHER”はAESOP本人のプロデュース。タフなドラムがドープで、トラック作りの腕も確実に上げている。

“COMA”のB面に収録されていた”MAINTENANCE”は、12インチにまで手が回らない人には嬉しい初CD化。”MAINTENANCE”終了後、15分の沈黙を破って登場するシークレット・トラックの”1 OF 4″もドープ。アグレッシヴだ。

“LABOR DAYS”でその評価を確かな物にしたAESOP ROCK。このEPを聴く限り、彼の創造性は衰える気配を一向に感じない。EL PやBLUEPRINTとの共演も嬉しいボーナスだ。アルバムではあまり聴く事の出来なかった、アグレッシヴな曲が多いのも良い。この調子なら、彼はもう”LABOR DAYS”に悩まされずに済みそうだ。