APATHY “THE BOOTLEG CD”

コネチカットを中心に活動するDEMIGODZクルー。RISEやCELPH TITLEDをはじめ、多くの才能を抱える彼らの中心人物が、このAPATHY。シングルや参加曲をコンパイルした名刺代わりの自主アルバムで登場だ。多くのアンダーグラウンド・ラッパー同様、APATHYはパンチラインをメインにしたバトル・ライムと、卓越したフリースタイル・スキルで名を上げたラッパー。ココに収録された曲の数々を聴けば、彼のポテンシャルの高さは明らかだ。

“JUST BEGUN”は正に最高のイントロダクション。APATHYが最高のデリヴァリーとフロウを披露、D.R. PERIODのトラックも良い。続くポッセ・カット”THE SMACKDOWN”では、3人がタイトなパンチラインでワックMCを攻撃。個人的なお気に入りは、RISEの「お前のレコードが店に並ぶ日は/レズの黒人女が大統領になる日だ」。”WE GET DOWN”やポッセ・カット”THE BIG HURT”もドープ。”COMPATIBLE”は、CELPH TITLEDのライム・スキルも再確認できる佳曲だ。

APATHYが参加したJEDI MIND TRICKのアルバム収録曲が3曲。どれもJMTらしいダークなトラックがドープ。なかでも、ハープの音色が妖しい”THE THREE IMMORTALS”がドープだ。APATHYはココでも冴えている。「キリストと12使徒のためにラップを創造/…/次元を圧倒し生存者ゼロ」

CELPH TITLEDとAPATHYが多くを手掛けるトラックも充実していて、”AIN’T NUTHIN NICE”のジャジーなループ、メロウな”HIP HOP GROUPIES”、APATHYのセルフ・プロデュースによる”SURESHOT AFFAIR”辺りは心地良い。そしてベストは”THE BIG HURT (RMX)”だ。シンプルなオリジナルに比べ、スペイシーな上モノに堅いスネア。ドープ!

あくまでも、APATHYの関わった曲を無造作に詰め込んだモノであるので、題材的に限定されている点は否めないが、オフィシャル・アルバムへの期待を抱かせるには充分すぎるほどだ。彼のクルー、DEMIGODZの今後の活動も見逃せない。