ARAKNOPHOBIX “TELEPATHIC AMBUSH”

98年から99年にかけて録音されたというARAKNOPHOBIX(SPACE RANGER、NEBULA、FLASH、NEEDLEBORG ONE)のアルバムが、実に4年に歳月を経てリリースされた。

まず、冒頭の”HIP HOP (KEEPS CHANGING)”が強力。深みのあるトラック、アグレッシヴなフロウでのヒップホップ・サイエンスのレッスン。DJ ICE WATERの激しいスクラッチも最高だし、ARAKNOPHOBIXというグループの魅力が結実した、彼らの代表曲になりそうな佳曲だ。基本的に、B級SF映画的な壮大な世界観とチープさが同居する宇宙スケールのライムとビートが、アルバムを通して炸裂する。デリヴァリーにしても、テクニカルな詰め込みと独特の間がその筋のリスナーに受けそうだ。何故かDEMIGODZのCELPH TITLEDが参加したポッセ・カット”PHANTASMAGORIA”をはじめ、聴き所は多い。

プロダクション面では、DEESKEEの貢献が大きいと言っておこうか。普段は、どちらかと言うと暖かみのある作風を持ち味とする彼だが、ここではグループの方向性に合わせてか、ハードなトラックを提供、器用な所を聴かせている。JOHNNY AND THE BRAIN BUGSによる”THE DEMONS”もツボ。ドラムが最高です。

なかなかドープなアルバムだ。98~99年の録音て事は、デビュー・カセット・アルバム”PHANTASMAGORIA”のフォロー・アップって訳だ。その頃にリリースされていれば、正当な評価がされていただろうに、勿体無い。