オムニバス “ANTICON - WE AIN’T FESSIN’ (DOUBLE QUOTES)”

前から噂になっていたTORTOISEのJOHN HERNDONとのコラボレーション曲が、シングルとしてリリースされた。DOSE自身ファンだというこうしたポスト・ロック勢との共作は、今後の彼らの行方を占う上でも重要な位置を占めるモノとなってゆくだろう。まあ、そんな邪知をあざ笑うかのように、彼らは至って自然体だが。

まずは、そのTORTOISEのJOHN HERNDONのプロデュースによる”MORE FROM JUNE”が凄まじい事になっている。DPDの面々のパフォーマンスも相変わらずタイトだが、この曲の主役はJOHN HERNDONによるプロダクションだろう。特に、SLUGに続いて登場するEYEDEAのパートにおけるドラム・プログラミングは、言葉を失う程。 2曲目の”WE AIN’T FESSIN’ (DOUBLE QUOTES)”は、正にANTICONオールスターズ大集合といった趣。JEL、MAYO、ALIAS、ODD NOSDAMによる次々にスイッチしてゆくトラック上で、SOLE、DOSE、ALIAS、WHY?、PASSAGE、PEDESTRIANのマイクリレーが展開する。これこそANTICONといった曲で、真骨頂だ。個人的には、中盤の最高にドープな女性ヴォーカル・サンプル登場以降がハイライト。WHY?とDOSEの変態コンビがここでも際立っている。ラストの”PITY PARTY PEOPLE”は、とにかく明るく爽やかなパーティーチューン。SOLE、DOSE、ALIAS、PASSAGEによるマイクリレーだが、こうしたメロディアスなトラックでは、最早DOSEの独壇場だ。

3曲を聴き終って感じたのは、単体でのアルバムも良いが、やはり彼らが一堂に会した際のエナジーは驚異的だ、という事。何とも言えぬマジックが働いている。これまでのようなコンピ形態ではなく、全員が絡み合うオールスター・アルバムを聴いてみたい、と思っているのは俺だけではないはずだ。ここに収められた3曲には、これまでの集大成的な側面もあるが、確実に進歩した姿も垣間見れる訳で、その思いはなおさらだ。アルバム、アルバム!