オムニバス “B SIDE VOL 1: BLATANT BATTLE RAPS”

オハイオを代表するクルー、WEIGHTLESS。既にILLOGICと、トラックを一手に引き受けるMC兼プロデューサー、BLUEPRINT率いるGREENHOUSE EFFECTによる2枚のアルバムをリリース済みだが、これは、そんな彼らによるコンピレーション。

このアルバムで一番耳を引くのは、やはりBLUEPRINTのプロダクションだ。ソウルフルで美しいサウンドが基本だが、一種独特の泥臭さがある。幻想的な打楽器が心地よい”THE INNER SQUAD SCRIMMAGE”、シンプルなループが、曲の最後に来て美しい展開を見せる”TOUGH GUY TALK”、ILLOGICがかつて所属していたというクルー、3RD EYEを辛辣にディスした”THE 3RD DEGREE”は、ピアノ・ループにラウドなドラムが面白い。”GOT SOUL”は、レイドバックしたジャジーなギターが気持ちいいが、シークレット・トラック扱いの、曲名が全てを物語る”SUNRISE”がベスト・トラックだろう。太陽が昇ってくる感じのギター・ループがあまりにドープで、思わず目を細めて遠くを見つめてしまう感じだ。それに比べて、”YAKETY SMAKETY”や、”PANDORA’S BOX”はだいぶ弱い。外部からは、唯一ATOMS FAMLYが参加。CRYPTIC ONEの手掛ける、終末的なストリングスがドープな”PEN RELAYS”は、7分という長さを感じさせない、タイトなマイク・リレー。GREENHOUSE EFFECTにILLOGICとPLEAD THE 5THを加えたユニット、ISKABIBBLESとATOMS FAMによるラジオでのフリースタイルも同様だ。

リリック的にはアルバムの副題どうり、バトルライム中心。スクリブル・ジャムなどでお馴染みBLUEPRINTは勿論、ILLOGICをはじめ皆タイトなパンチラインをキックしている。

彼らのこれまでの作品と比較すると、少々質は落ちるがそれでも、粒揃いの曲が揃ったタイトなコンピレーション。幾つかのドープな曲に、幾つかのそうでもない曲。そういう事。