SAGE FRANCIS “SICK OF WAITING TABLES…”

ローズ・アイランドのSAGE FRANCIS。いい加減ソロ・アルバムを出して欲しいところだが、それはさて置き、本作は基本的に”STILL SICK”と同じ構成。つまり新曲、既発曲、フリースタイルだ。

期待の新曲だが、ALIASのプロデュースによる”TRITE”がベストだろう。とにかくドープなトラックにSAGEのアグレッシヴなフロウが映える。SOLEとの”I APOLOGIZE”も、勢いのあるトラックがドープ。”DAYS GROW OLD”はSLUGとの初共演だが、結果はイマイチだ。次のMOLEMENのアルバムに入るという”THE EMPEROR’S NEW CLOTHING”と”COME FOLLOW ME”の2曲はどちらもワン・ヴァースのみ(曲自体まだ未完成らしい)で、タイトだがやはり欲求不満な感じかな。完成を待ちたい。

既発曲では、NON PROPHETSの12インチから”DROP BASS”とダークな”I KEEP CALLING”、A.O.I.からは、かつての彼女への文句を連ねた”REWRITE”、とにかくドープなライブ音源”BOUNCE”、JAYSONICのアルバムからの”INTUITION”、”WHEN FREEDOM RINGS”と”TESTIMONY”はSIXTOOの、アルバムと12インチにそれぞれ収録されていた曲だが、いつ聴いてもドープだ。

今回もやはり、フリースタイルがハイライトになっている。2パートに分けられた”ORPHANAGE FREESTYLE” は、AESOP ROCK、EYEDEA、SLUG、ILLOGIC、BLUEPRINTにSAGEというオールスター・キャスト。全員がリラックスした雰囲気の中、余裕のフリースタイルを聴かせてくれる。オリジナルのテープに収録されていたUNDERGROUND KIDとのバトルの抜粋はとにかく笑える。名勝負だからではなく、あまりにワックなUNDERGROUND KIDが面白すぎる。哀れである。

聴き応えのある内容ではあるものの前作ほどの充実度は、ココにはない。散漫さと生々しさは紙一重、という事か。ANTICONからのオフィシャル・アルバムが本当に待ち遠しい。それまでは、これを聴いて我慢するしかないか。