ICON THE MIC KING “INTRICATE SPECTRUM EP”

ANONYMOUS INC.の1STや、DAY BY DAYからの傑作”A PIECE OF THE ACTION”等、様々なコンピレーションに顔を出すMC、ICON THE MIC KINGが2005年にBEYOND SPACEからリリースした全9曲のEP。彼は、ペンシルバニア州の最大の都市、フィラデルフィアで活動している。今まで、CD-RやVINYLで作品を何枚か出しているが、CDの正規リリースは初めてである。ENHANCED CDというスタイルをとったことから、初の正規リリースに相当力が入っていることが明白だ。MUSIC VIDEOは勿論、全曲のLYRICが見ることが出来、リスナーには非常に嬉しい配慮である。しかし、WALLPAPERの量が多すぎると思うのは私だけだろうか(まぁ、嬉しい限りなのだが)。筆者は未聴だが、2004年にC-RAYZ WALZをフィーチャーした12INCHシングル”INDIELNBURNS”の評価が非常に良い(本作には未収録)。しかし、本作に収録されておらず、残念である(以前に出したCD-Rアルバムに収録しているのか?)。近々出るであろう、フルアルバムに収録されることを願う。その際は、他のアーティストとの共演も期待したい。

このEPに初めて触れたリスナーは、ICON THE MIC KINGのライミング・スキルの高さに衝撃を受けるはずだ。彼が、フリースタイルの猛者だと言われるのも納得がいく。弾丸の様に止まらないライミングを是非、堪能してもらいたい。”GOD AMONGST MEN”と”LOTUS FLOWER”は必聴である。このような斬新でスピーディーなライミングは、最近のアンダーグラウンド・ヒップホップでは、見受けられなかったような気がする。”LOTUS FLOWER”を聴いてもらうとよく分かるが、彼のライムとトラックの相性は非常にベター。MCの引き立てが上手いプロデューサー陣を揃えたからだろう。そのため、リスナーはこのEPを全て聴き終えた後、ICON THE MIC KINGの虜になっているはずである。まさに、2005年アンダーグラウンド・ヒップホップ界の隠れた名盤。アンダーグラウンド・ヒップホップリスナーは、スルーしてはならない一作。

ちなみに、”REFRESH”自体は6分程しかないのだが、11分を過ぎた辺りからボーナストラック?と思われる曲が流れる。どうでもいいのだが、”GET THERE”のトラックがSLUM VILLAGE w/KANYE WESTの”SELFISH”に似ていると思ったのは私だけだろうか…。

(Bil-Vill)