REALISTIKK “SECULAR STRESS”

ニュージャージー出身で現在は西海岸に活動の拠点を置く女性MC、REALISTIKKのデビューアルバム。

そのREALISTIKKだが、特筆すべき点もこれといってなく、水準より少し下のMCといった感じ。リリカル面で時に光るモノを感じる事もあるが、いかんせんフロウが退屈だ。トラックがシンプルな分、余計に欠点が目立つ結果となっているし、ライムの内容に関係なく常に同じトーンなせいで、彼女の内面があまり見えてこない。ウーン…

頼みはプロダクションだが、こちらも精彩に欠く。殆どの曲を手掛けたG-DUBBのトラックは、プリセット・ドラムによる典型的なウェスト・コースト・サウンド。ラップがフラットな分、グルーヴの豊かな方が良いと思うのだが、そのグルーヴが決定的に欠如している。同じようにシンセを多用したいつものサウンドを提供したELIGHと比べると、その差は歴然としている。MOODSWING9の”FORNICATION”も、過去の彼の作品と比べると面白味に欠ける。

ビートにしろラップにしろ、特に聴くべき所のないアルバムになってしまっている。酷いアルバムとまではいかないが、良質のリリースの多い昨今、これでは厳しいだろう。