DAVE DUB & E.I.M. “KILL THE IDOLS, DESTROY THE LOVERS! (’94-97′)”

WESTCOAST WORK FORCEの一員として有名なDAVE DUBの初期音源。”94TH APPOCALYPSE OF LIPS”と”AN EXPERIMENT IN HERB, WORLD, AND SOUND”という2枚のEPをまとめたモノで、これもベイエリア・シーンの一つの歴史。

リリック的には、MCイングの基本とも言える徹底的な自己顕示/バトル・ライムだ。冒頭の”DOMINATION”を皮切りに、独特の言い回しと比喩を駆使して自らのマイク・スキルを誇示、ワックMCを容赦なく攻撃してゆく。事実、”THE TREATMENT”の玄人好みのフロウなどは堪らないモノがあるし、これ以上ない程シンプルな”SUPERFLY”での”俺がタイトだって事がわからない奴は/選ばれし者じゃないって事だ”という一節が説得力を持つのはそのためだろう。ラジオブレイク”SPIDERMAN (R.I.P.)”を挟んでの後半では、DAVE DUBのより幅広いヴォキャブラリーが垣間見れる。”UPSIDEDOWN LINEAGE”や”AS THEY WORSHIP”などはトラック面でもハイライトと言えるし、黙示録的な”FIRE LACED FRAGMENTS”もドープ。フリースタイル”FLIPSIDE OF ‘ARCHIVED TAPE’”での過剰なエフェクトも笑えるし、意味不明だが何故か分かる気がする。

シンプルなTAPEMASTER STEPHのトラックは、DAVE DUBの味わい深いデリヴァリーを最高に魅力的に聴かせる事に成功していると思う。全編に漂う何とも言えないダルさも独特で、とにかく無駄がない。チープすぎる音質がマイナスになっていない事は言うまでもないが、DAVE DUBのラップにはクセになる魅力がある。PERSEVEREとのユニット、SUB CONTENTSのアルバムがリリースされれば、より幅広い支持を受けるだろう。それまではこれで…..