ELIGH “A STORY OF 2 WORLDS”

ELIGHのこのアルバムは、前作よりもサウンドクオリティが格段に良くなった。勿論、プロダクションはELIGHが中心。ELUSIVEやGROUCH、BIZZAROのトラックも良いアクセントだ。

アルバム1発目は、幻想的なトラックにコンシャス・ライムの”HESITATION”。ELIGH以外の何物でもない。女との偶然の出会いの物語”COINCIDENCE”は、シンプルなベースラインに、BICASSOの何とも言えないスクラッチが色を添えていて、ドープ。SCARUBとの”8TRED”は、ピアノのメロディがポエティックな2人のライムと最高にマッチしている。コンビネーションも抜群だ。映画的なイントロに続いて登場するメロウなループが心地良い”LUST”は、ELUSIVEのプロデュース。”PLANTLIFE”では、BIZARROがプロダクションと共にマイクでも参戦。

”INTERLUDE”を挟んでの”1998″は、次世代へのポジティヴなメッセージ。シンプルなトラックもドープだ。都会生活を描いた”METRO CAMOUFLAGE”に続く”7 YEARS”にはMURSが加わり、運命の出会いに満ちた学生生活について回想してみせる。自らを磨けと促す”HEAD CHECK”では、自分の失敗も真摯に告白。宇宙的なポエティック・ライム”QUANTUM THOUGHT”は、ラフなドラムにスペイシーなループが良い。”FISHERMAN’S LOT”は、味わい深いギターループが何ともドープ。フックも最高だ。トラック同様にライムも味わい深い。ベスト・トラックの称号は、この曲に。

前作ほどではないが、押並べて高水準。殆どを自身が手掛けたシンプルなトラックに、独特のデリヴァリー。ファン必携のアルバムである。勿論、ファンでない人にもお勧めだ。