ELON.IS “ELEMENT 113″

サンフランシスコはSUBSET LEAGUESから、ELON.ISのセカンド・ソロ・アルバム。2年の時を経て、どれほどの進化が見られるのかが興味深かったが、基本的に前作の路線に忠実な出来だ。

漂うようなホーンや深いリヴァーヴは前作のトレードマークとも言えるほど印象的だったが、相変わらずなイントロをフォローする”ZERO GRAVITY”や”PATIENCE/TEMPTATIONS”を聴く限り、本作が基本的に前作の延長線上にある事は明らかだが、チープなエレクトロニカといった感じの”ENTERLUDE”や”MY WORLD YOUR WORLD”辺りは、進化と言えなくもない。リアルタイムで打ち込んだかのようなドラムが揺れを生み出す”EXPERTMENTAL”も催眠的だし、前作からの続編”EMOTIONS ‘97″もほぼビートレスで進む前半部分が圧倒的に面白い。とはいえ、ベスト・トラックはタイトなドラムが確かなビートを刻む”ZERO GRAVITY”。このドラム、堪りません。

前作を気に入った人には、期待通りのアルバムだろう。全体の質が落ちているのも確かだが、前作よりも色々と試みている辺りは、今後に期待出来る。