
この作品には、ベイエリアのプロデューサーを多く起用している。その中でも、MYND CHEMICALZのアルバムを全面プロデュースしたBALLER、MYND CHEMICALZのBRAIN FUQT、LIP SERVICEのPSEUDO(現在はBROHDIに改名)というベイエリアでも手練のアーティストの参加が、作品を一層際立たせている。そのBRAIN FUQTとPSEUDOがラップで参加した”GENERATE FLOS”は必聴である。その他の曲は平均的だが、ベイエリア・シーンに興味のなかったリスナーでも聴きやすい曲が揃っていて、捨て曲のないアルバムである。アングラ・シーンでもあまり知られていないENZYMEだが、この作品を機に彼に興味を持ってもらいたい。MALEKOの2003年に発表した”OMNIDIRECTIONAL”にもPSEUDOと共に参加し、良い仕事をしているのでこちらもチェックして欲しい。
最後になったが、このアルバムに全面的に参加しているPSEUDOのユニットであるLIP SERVICEが2005年に発表したアルバム”THE BOOKKEEPER’S DAUGHTER”も、名作なので是非聴いて頂きたい(ちなみにENZYMEは未参加)。
(Bil-Vill)