SIXTOOやRECYCLONEのアルバム参加で気になっていた人も多いだろう、カナダはハリファックスのMC、KNOWSELFによるデビュー・アルバム。
このKNOWSELF、リンカーンとケネディの暗殺の奇妙な一致点とか、秘密結社の陰謀とか、タイタニックは事故じゃないとか、マシンガン・フロウで延々と（”ムー”に載ってる様な事を）ライムし続けるMC。本気なのかフザケてるのか、我々を救うためのメッセージって事らしい。”今何とかしなければ～”とヘタクソに歌い上げる”RIGHT NOW”を聴く限り、本気かもね。でも、今のブッシュ政権とか見てると、”ニュー・ワールド・オーダーはマジ/憲法なんて冗談みたいなもんだ”なんてKNOWSELFの言葉も、妄想狂の戯言じゃ済まない気もするけど。こういうの、個人的には大好きなんだけど、人には薦められないね。
トラックは、所謂ハリファックス的な、生楽器を多用するスタイルではなく、地を這うベースを土台に奇妙なノイズを重ねた、ミニマムなモノだ。リリックの世界観には合ってても、全体的にトラックにはあまり面白味を感じなかったが、全編でスクラッチを担当するSKRATCH BASTARDの存在がかなり救いになっている。彼のリズミカルなスクラッチが、要所要所で良いアクセントだ。
ケネディ暗殺の真犯人説を3つ以上言える、電波傍受を警戒して携帯は絶対使わない、フリーメイソンの握手のやり方を知っている、そんな人にお勧めのアルバム。”俺のスタイルはラギッドだから、女にはモテモテだぜ”って、そんなわけねーだろ。
