LARGE PROFESSOR “1ST CLASS”

LARGE PROFESSORのファースト・ソロ。

結論から言うと、LARGE PROFESSORの信奉者であればあるほど、失望が大きいアルバムになってしまっていると思う。彼のプロダクション最大の魅力だったラフでタフなドラムスが聴ける曲は皆無、ループにしても、今を意識しているのだろうが、質の悪いパロディに成り下がっている。そもそもラップで聴かせるタイプのアーティストではない訳で、そのプロダクションがこれでは致命的だ。あの”LOOKIN OUT THE FRONT DOOR”などの傑作を作った男が、”BRAND NEW”みたいなグルーヴの欠片もないトラックを作るなんて、誰が予想しただろうか?”IT AIN’T HARD TELL”などで聴けた神懸り的なポップ感覚などは、微塵も無い。

NASとの”STAY CHISEL”やフックのフルート・ループが良い”KOOL”辺りは悪くないが、それでも、彼の全盛期を知っている者にとっては満足のいく内容ではない。昔の事は忘れて、これはこれとして楽しむべきなのかもしれないが、個人的には無理だった。やはり、ドラムが…

LARGE PROFESSORもSHOWBIZ同様、隠居を余儀なくされるのだろうか。それとも、もうそれ程シリアスじゃないのかな。JELやRJD2、EL-P、THE OPUSが21世紀の音を鳴らす今、彼のプロダクションの居場所は極めて限られている気がする。一つの時代が終わった。