LOUIS LOGIC “MUSIC TO DRINK BY: A COLLECTION OF LOOSIES AND EXCLUSIVES”

THE DEMIGODZのLOUIS LOGICによる、既発曲をコンパイルした自主制作CDRアルバム。12インチにまで手が回らない者にとって、こうした作品は非常にありがたい。

冒頭のユーモラスな”LOUD MOUTH”から既にLOUISは絶好調。ファンキーなトラックもタイト。J-TREDSとの”WHO THE FUCK ARE YOU?”は、2人の好演に比べトラックが今ひとつだが、続くバウンシーな”WHO THE FUCK ARE YOU?”で少し持ち直す。ここでもLOUISはウィットに富んだライムを披露。ダークなストリングスが雰囲気を一転させる”TRINITY”は、JEDI MIND TRICKSのアルバム”VIOLENT BY DESIGN”からのカット。なんともゴシックな雰囲気のトラックが、アグレッシヴなMC達をバックアップ。バトルモノ”LOGISTICS 101″を挟んで登場するのは、ベストカット”FACTOTUM”だ。J.J. BROWNのドープ極まりないトラックに合わせ、LOUIS LOGICが酒にまつわるウィットに富んだストーリーテリングを披露、真骨頂だ。ドープ!

後半に入って、アルバムは少しづつテンションを落としていってしまうが、そんな中CELPH TITLEDが素晴らしいトラックを用意した”SECRET AGENT”と、スムースなピアノ・ループによってオリジナルを超えた”PUNCHILINE REMIX”の2曲は良い。タイトなパンチライン。

この”MUSIC TO DRIVE BY”は既発曲を集めた自主CDRではあるが、優れたプロダクションとLOUIS LOGICの多彩なデリヴァリー/リリシズムによって、エンターテイメントな作品に仕上がっている。曲毎の質のばらつきが勿体無い限り。