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ジャケにはセンスの欠片も感じられないが、何気にOKWERDZのキャラクターを良く表していたりする。「俺を見た目で判断するな」と自虐的なユーモアを混ぜつつ自信を覗かせる”DON’T JUDGE A BOOK BY ITS COVER”を筆頭に、アルバムは飄々としたキャラクターと自己顕示/バトル・ライムが満載。バトルで鍛えた彼のスキルは、アグレッシブなフリースタイルから倍速まで悠々とこなす堂々としたものだが、全編に漂うヘナヘナとした語り口は妙な情けなさを感じさせて面白い。青臭い青春失恋物語”MONICA”なんかは、特にそうした彼のペルソナが如実に出ている。音楽にかける真摯な思いが溢れる”ONLY TIME WILL TELL”や、麻薬、ドメスティック・ヴァイオレンス、人種差別に切り込んだ”DRUGS WOMEN AND RACISM”などではシリアスな面も垣間見せる。MAC LETHAL、EX-Iという屈指のフリースタイラーが信頼と裏切りについてライムした”I DONT NEED YOU”がベスト・トラック。
EQUALIBRUMやEX-Iといった身内のアーティストは勿論、DOMINGOやFRANKIE RIPTIDEといった東海岸勢や、COPYWRITE、J.U.I.C.E.といった中西部勢までが幅広く参加した本作は、現在のアンダーグラウンド・ネットワークの広がりを体現している。良質なトラックと自由度の高いデリバリー、地に足の着いたリリック。OKWERDZというMCの存在感を存分に示したデビュー・アルバムだ。