オムニバス “A PIECE OF THE ACTION”

DJ FISHER主催の新レーベル、DAY BY DAYが送るコンピレーションが届いた。これといった共通項の無い参加アーティストがズラッと名を連ねている辺りに、一抹の不安を覚えるが…。

まず、タイトなドラムにサビの中近東風の女性ヴォーカルがドープなPARADIGMの”TERIBITHIA”で幕を開ける。思い入れの強い人も多いだろう、A TWICEのMIC EDUによる”BACKWARDS AND HALFWAY”は、スムースでジャジーなトラックが良い極上の逸品。続くJUGGA THE BULLYの”CORRUPT”は、パンチライン満載の、奇妙なドラム・プログラミングが面白い南部フレイヴァー。既に15枚近いアルバムを出しているMOKA ONLYの”WORTH THE WAIT”は、涼しげなトラックが夏仕様の心地よい一曲。フィラデルフィアのDEPT OF RECも”GONZOE OF STIMULATION”のドープなトラックでアピール、XTRACTS OF SLANGのレイドバックした”HOW DOES IT FEEL”、ファンキーなBUTTA BABIESの”TOE TO TOE”など、殆ど無名に近いアーティストながら、素晴らしい仕事を提供している。

とはいえ、アルバムのハイライトはやはり、BRAILLEとOHMEGAのグループ、RETURN TO SENDERによる美しい”BUTTERFLIES”と、お馴染みTHEM改めTHEMSELVESのやたらハッピーなトラックでDOSEがこの上なく伸び伸びしている”THEM’S MY PEOPLE”という事になるだろう。不気味なまでの明るさを持った、最高のパーティーチューン。

良い曲と駄目な曲が半々といった所。コンピとはいえ、あまりにまとまりが無い。同じ位の出来でも、もう少し統一感があれば、印象もだいぶ変わっていたと思うが。とはいえ、入門用には良いかと思うので、これらのアーティストを全く知らない人にこそ聞いて欲しい。大体知ってるという人は.. 金の使い道に困ってるなら。