PROMOE “GOVERNMENT MUSIC”

スウェーデンといえば、LOOP TROOP。LOOP TROOPといえば、フロントMCのPROMOE。グループのアルバムでも最も印象的だった彼がソロ・デビューする事は、ある意味必然といえると思う。だが、残りのメンバーであるCOS M.I.C.とSUPREMEが多く参加していたり、トラックの多くをEMBEEなどが手掛けている辺りを見ると、グループとの差別化を図るような意図はあまり無いようだ。

アルバムを通して流れるメッセージは、かつてのPUBLIC ENEMYにも通づる反政府/反体制だ。メディアに惑わされるな、と促す”PRIME TIME”、グラフィティ・アーティストを自由の戦士と讃える”FREEDOM FIGHTERS”、ジョージ・ルーカスの映画を引用しながら政府による管理社会に警告する”THX 1138″、情報が氾濫する現代をライムした”INJECTED”、もはや被害妄想とまで感じてしまうほどの”CONSPIRACY”など、どれも悪くは無いが、ココまで同じ様な内容が続くと、流石にイヤになるのも事実。そういった意味で、笑える自己顕示モノ”BIG IN JAPAN”の様な曲があと数曲あれば、よりバランスの取れたアルバムになったのではないか、と思うのだが。

EMBEEらLOOP TROOPでお馴染みのプロデューサーによるトラックも充実した出来だが、外部のプロデューサーとの絡みを聴いてみたかった。正直に言って、LOOP TROOPのアルバムとの違いが殆ど無いので、ゲスト・ラッパーの人選も含めてソロ・アルバムならでは、といった所も聴かせて欲しかった。