SUPASTITION “7 YEARS OF BAD LUCK”

ノースキャロライナのMC、SUPASUTITION。同郷のESAUのアルバムにBLACKMELの名で参加していた彼を、覚えているだろうか。デビュー・アルバムだ。

そのESAUのアルバムで鋭いバトル・ライムを披露していたSUPASTITIONだが、このデビュー・アルバムではよりコンセプチュアルな題材を聴かせてくれる。その最たる例が、SCOTT LA ROCKやTHE NOTORIOUS BIGを始めとする、今は亡きヒップホップの偉人達との夢の中での遭遇をライムした”CELEBRATION OF LIFE”。”ヒップホップを生きてれば、死ぬ事はないんだ”、幻想的なトラックも効果的、この一曲でSUPASTITIONが只者ではない事が分かるでしょ?”BODY LANGUAGE”も面白くて、一聴すると何の変哲もないバトル・ライムなのだが、その端々に体の部位を表す単語を散りばめる事で多に類をみない曲になっている。”MIXED EMOTIONZ”では、15歳で父親になった自らの体験を赤裸々に告白。スムースなピアノ・ループが雰囲気を盛り上げる。ヒップホップと人生についての”HIPHOP VS LIFE”も悪くない。

平凡な曲も数曲あるが、SUPASUTITIONは水準以上のデビュー・アルバムを作ったと思う。なんとも地味な印象がマイナスに働かなければいいが。