TYPICAL CATS + ODDJOBS + HEIRUSPECS “LIVE! AT THE BRYANT-LAKE BOWL”

シカゴとミネアポリスそれぞれの地の新世代2組、TYPICAL CATSとODDJOBSによるジョイントライヴ・アルバムだ。アルバムを通して演奏を担当するのは、ミネアポリスのバンドHEIRUSPECS。メジャーアーティストのような宣伝力を得られないインディペンデントのアーティストにとって、ライヴは自身のスキルをアピールする事のできる最大のプロモーション。特に、海外にいる我々のようなリスナーにとっては、殆ど見る機会の無いこういったライヴ/現場の空気を切り取った作品はありがたい限り。

口火を切るのはODDJOBS。”ABSORBING PLAYTIME”では、エナジーに満ちたマイク捌きが堪能できる。演奏もタイトで、何と言ってもホーンが最高だ。”REINVENTING THE WHEEL”でのTYPICAL CATSも、それ以上のマイク・リレーを聴かせていて、唸らされる。甲高い声のQWELがやはり光っている。TYPICAL CATSのDENIZEN KANEとODDJOBSのNOMIによるそれぞれのポエトリーは、心に染み入る素晴らしいパフォーマンス。そして、”SLEEP WALK”は文句なしのハイライト。CRESCENT MOONのパワフルでエモーショナルなパフォーマンスも耳を離せないし、終盤のピアノが美しすぎる。最早定番となりつつあるTHE NOTORIOUS B.I.G.の”DEAD WRONG”上でのQWELソロ”PROOF 101″もドープ。”BEATS TO THE RHYME”の2枚使いでスタートする”OSCILLATIONS AT 40 HZ”は、生バンドとターンテーブル・ライヴの魅力が凝縮されている。

フリースタイル・セッションのないヒップホップ・ライヴなんて…とお思いの貴方、ご心配なく。9分に及ぶ”FREESTYLE SESSION”は、HEIRUSPECSによるタイトな”FREDDIE’S DEAD”などの演奏をバックに、最高にエンターテイニングなパフォーマンスが堪能できる。ベースがうねってマス。個人的なハイライトは、TYPICAL CATSのQWELとQWAAZARのマイクリレー。続く”ROOM MIC GOES OUT”には、ナチュラルボーン・フリースタイラーEYEDEAも加わって、凄い事になってます。