50 CENT “GET RICH OR DIE TRYIN’”

インディペンデントでリリースされたアルバム”GUESS WHO’S BACK”は勿論、多くのミックステープへの露出などで、ストリートでの人気は凄いらしい。COLUMBIAとの契約はアルバム発表前にオジャンとなったが、EMINEMのSHADY RECORDSに拾われたってのも、50 CENTを地図に載せたデビュー・シングル”HOW TO ROB”がヒップホップ業界の大物達から金目の物をかっぱらっていくというブラックジョークに満ちたモノだった事を考えれば、納得がいく。

昔と比べて力の抜けたフロウは好き嫌いが分かれそうだが、個人的には嫌いじゃない。フックの歌い上げっぷりも、憎めないモノがある。CDのみ収録の、COLUMBIA時代の音源”LIFE’S ON THE LINE”と比べると、まるで別人だけど。リリックはと言うと、「俺に喧嘩売ると痛い目にあうぜ」みたいな、なんのヒネリもないギャングスタ・ライム。ギャング・バング、パーティー、ピンプ、ウィードと、定番な題材がズラズラ。JA RULEを徹底的にコケにした”BACK DOWN”も、”LIFE’S ON THE LINE”と比べるとヒネリが足りないんじゃない?

トラックは粒揃い。DIGGAの”MANY MEN”や、DJ RADの”HIGH ALL THE TIME”、DIRTY SWIFTの”21 QUESTIONS”辺りの、比較的無名ドコロの手掛けたトラックが気に入った。”LIKE MY STYLE”みたいな派手なのよりも、こういう方が50 CENTのフロウにはマッチしていると思う。

DREの手掛けた”IN DA CLUB”同様、50 CENTのフロウは意外とクセになるが、リリック的にあまり面白くなかった。”PATIENTLY WAITING”でEMINEMは、50 CENTをBIGGIE、JAY-Z、BIG Lなんかと同列に並べてるけど、本気?