ALIEN NATION “EARTH DEFENDERS”

ALIEN NATIONは、SUPER NATURAL、PHOENIX ORION、NAPTRON THE META-PREDATORの3人を中心に、ORION SOUTH、DARKZEIED、COSMIC RAY、SCATTERTONGUE、ET CETERAなどを配するL.A.のクルー。

いたってシンプルな”NEO ELO”、妖しいバウンス・ビート”MYSTERIOUS”、バトルモノ”1999″と、アルバムの冒頭は非常におとなしいが、4曲目”CYBERTRON”に来てようやくヒートアップ。叩き付けるスネア、ダークなストリングスなど、アルバム中でも突出したドープネスを放ってる。やはりというか”LIGHT TABLETS”、”OMEGA MINUS”といった曲でも、他のMC達も決して悪くないのだが、フロウの多様性、声の強弱のつけ方などの面で、SUPERNATURALがずば抜けた存在感で他を圧倒している。そうした思いは、勢いのあるトラックが良いポッセカット”INFINITE CYFER”でより強くなった。

SUPERNATURALは勿論だが、PEACEの格の違いを見せ付ける最高のパフォーマンスが圧巻。曲名が全てを物語る”FREESTYLE KING”も素晴らしい。シンプルなトラックによってSUPERNATURALのスキルがより魅力的に光っている。PHOENIX ORIONとの掛け合いも最高にドープで、アルバム・ベストカット。アルバムのコンセプトとも言えるSF的なライムは、終盤の”SPACE BOUNTY HUNTERS”やタイトルトラック”EARTH DEFENDERS”でも披露されている。

ほぼ全曲を手掛けるHIVEのトラックは、どれも悪くはないが、良くもない。PHOENIX ORIONが時にハッとする様なパフォーマンスを聴かせてはいるが、SUPERNATURALの存在感にはどうしても敵わない。他のメンバーについては言わずもがな。良い曲もあるのだが、極めて印象の薄いアルバムとなってしまった。