ATMOSPHERE “SAD CLOWN BAD DUB 3″

ライヴ会場限定シリーズ”SAD CLOWN BAD DUB”の最新作が届いた。今回は、ベスト盤とでも言うべきライヴ音源。ライヴに定評のある彼ら、このアルバムはその魅力の一部ではあるが、捕らえる事に成功している。バックを務めるのは勿論MR DIBBS…と言いたい所だが、ここではODDJOBS + TYPICAL CATSのライヴ盤でもバックを務めていたミネアポリスのバンド、THE HEIRUSPECSによる演奏がサイドMCなしのSLUGを支えている。因みに、録音は2001年12月26日、地元ミネアポリスにて。

デビュー・アルバム”OVERCAST!”と最新作”LUCY FORD”からは勿論、”SAD CLOWN 2″やカセット・アルバム”SEVEN”からの名曲もセレクトされていて、嬉しい限り。それぞれの曲について言及はしないが、ライヴの醍醐味という面でリスナーの欲求を満たしてくれるのは、大胆にアレンジされた”SCAPEGOAT”や、後半のノイジーなギターが良い”THE ABUSING OF THE RIB”辺りか。冒頭の”ASPIRING SOCIOPATH”ではニルヴァーナを歌ったりもしてるし、ラストの”SHRAPNEL”も素晴らしい。

録音状態も予想以上に良いし、選曲も文句なし。2ターンテーブル・ライヴによる素晴らしい構成こそ聴けないものの、たった一人で力強いパフォーマンスを聴かせるSLUGは、正にマスター・オブ・セレモニーの冠に相応しい。SLUG自身ライヴ・アルバムはあまり好きじゃないらしいが、一ファンとしては、彼らのような優れたパフォーマンスこそ、後世に残すべき物だと思うのだが。次回はビデオをお願いしたい。