EYEDEA & DJ ABILITIES “E & A”

EYEDEAとABILITIESのタッグが帰ってきた!約3年振りとなるセカンド・アルバムだ。

強気にカムバックを宣言する”REINTRODUCING”は、EYEDEAのラップをコスってみせたりと面白い幕開け。続く”NOW”では、技術的にもアイディアの多様さ(シャレではない)にも驚かされる。凄まじいフロウ!ストレートなディス・ソング”STAR DESTROYER”や”E & A DAY”はバトル・ライム健在を印象付ける佳曲、ユーモラスな”EXHAUSTED LOVE”や”ACT RIGHT”にもニヤリとさせられるし、”PARADISE”、”GLASS”の2曲ではポエティックなリリシストとしての一面も忘れていない。特に、”GLASS”で徐々に感情を爆発させていく様は圧巻だ。本作でのEYEDEAとこれまでの作品との最大の違いは、何時になくパーソナルな題材を扱っている点だろう。自らの内にある感情を素直にぶつけている。

ABILITIESのプロダクション・スキルは、地味ながら成長を窺わせる。埃っぽくタフな部分はそのままに、よりキャッチーで肩の力が抜けた感じだ。”PARADISE”や”GLASS”では、格段に向上した構成力をさらりと聴かせる。切れ味鋭いスクラッチが前作よりも魅力的なのは、各曲中で有機的に機能しているせいだろう。ドラムはとにかくタイトだし、色んな映画のエロ台詞をコラージュした”TWO MEN AND A MEN”も面白い。何気に、OLIVER HART名義で披露したEYEDEAのプロダクションの影響も少なくなさそうだ。

“FIRST BORN”で感じられた気負いが払拭され、全体的にリラックスしたアルバムだ。2人とも洗練された感があるし、ヴァラエティに富んでいて最後まで飽きさせない。多くのアーティストにとっても正念場と言われる2作目、このコンビは上手く切り抜けたと思うが。