
2枚のクラシックを愛聴してきた者の多くはこのアルバムに多少の違和感を感じると思うが、それはほぼ全て、遅れてきたG-ファンクといった感じの薄いトラックが原因だろう。前作と今作の間にはODとの印象深いコラボレーションがあっただけに、その思いは尚更だ。だが、それだけでこのアルバムを駄作と葬ってしまうのは間違い。コンシャスな”GHETTO YOUTH”や”TEMPTATIONS”、”EVERY REASON WHY”、ポエティックな”SEASONS”、ポエトリー・リーディング”FRAGRANCE”など、コンセプト的にも幅広いが、フリースタイル”NO HOOKS NO CHORUSES”やバトル・ライム”DEFFERENT”、”FREESTYLE FELLOWSHIP”などを聴けば、彼らのデリヴァリーはより多様性に富み深みを増している事に気付くはず。PEACEの出番が極端に少ないのも不満だが、単純にクソカッコいい!
彼らの実力に見合ったクオリティを持ったアルバムとは言い難いが、一般的な物差しで計れば、充分過ぎるほど良いアルバムだ。何はともかく、4人のラップは圧巻の一言。これだけ畳み掛けられると、最早何も文句を言う気なんて起きなくなってくる。