GOOD4NUTHIN “NOTHING 2 LOSE”

サクラメント代表THE CUFから、PETEとN8 THE GR8(ネイト・ザ・グレイトと読む)によるユニットのアルバム。

相も変らぬチープな打ち込みサウンド満載のアルバムだが、粘着質な2人のデリヴァリーには、この位下世話な感じが一番合っている。例えば、EL-PとかFAT JONのトラックに彼らのラップなんて…ねぇ。争い事の無益さを説く”WAR”みたいに、どんな高尚な事をラップしようと与太話っぽさを醸し出す彼らのフロウは、それだけでファンクだ。煙を吐きながらワックMCに毒づき、”俺らのやり口は知ってるだろ/俺らは知らねぇけど”とか言ってる”UKNOWHOWEDOIT”のサビを聴けば、どんな感じかおおよその想像はつくだろう。まぁ、フロウで聴かせる連中ですな。

N8のビートも当然ドープ。やたらグルーヴィーな”SACK WIPE”辺りが一番馴染みやすそうだが、THE CUF的としか言いようのない”GOOD4NUTHIN”や”WAR”の方が個人的には気に入った。特に後者なんかは、ある種THE NEPTUNESにも通づるミドルスクール・マナーなタフなドラム・サウンドが、麻薬的なまでの魅力を放っている。”UKNOWHOWEDOIT”のドラムも最高だ。

お察しの通り、真剣に聴き込むタイプのアルバムじゃ決してないし、彼ら自身もそんな事リスナーに求めてないだろう。ダラっとしたラップ同様、ダラっと流して何とも心地良く聴けるアルバムって結構ないと思うけど。