オムニバス “GOODNIGHT MUSICS PRESENTS”

GORDSKIとKUNGA 219によるTHE GOODSの3枚のアルバムとKUNGA 219のソロ・アルバムのリリースで着々と支持を広めつつあるGOODNIGHT MUSICS。初のレーベル・コンピ。

PEANUTS & CORNの中核をなすのがMCENROEだとすれば、GOODNIGHTにはGORDSKIがいる。彼のプロダクション・スキルは、THE GOODSの傑作アルバム3枚で証明済み。強烈な個性は持ち合わせていないが、確かなブレイク、質の高いループ選びなど、サンプリング・ミュージックの魅力をこれでもかと言うほどに堪能させてくれる。ダークでディープなモノからハッピーでファンキーなモノまで、作風の幅広さではMCENROEを凌いでいる。

THE GOODS”MEDIOCRE MAN”を除いて全て新曲だが、注目はやはりKUNGA 219とTACHICHIによるユニット、ROOSEVELT THARPAのお披露目となる”GLOBAL COMFORT”だろう。プロダクションにGORDSKI、MCは勿論KUNGA 219とTACHICHI、そして擦りにSKRATCH BASTIDという、最強の面子が揃っただけあって文句ナシにアルバムのベスト・カット。とにかくドープ!アルバムが楽しみな限り。

THE GOODSの新曲は、当然のようにどれも良い。GORDSKIによる荒々しいドラムの数々は、KUNGA 219のオーソドックスなライム・スタイルから違った表情を引き出す。”MONKEY SHUFFLE”が特に気に入った。

ニューカマーでは、シンガーKALEB SIMMONDSに注目したい。最近ではTACHICHI & MOVESのセカンドへの客演も印象的だったが、今回も”EVERYTHING’S LOVELY”や”SOOPERBOOZERS”で繊細なヴォーカルを聴かせてくれる。こういった存在はインデペンデント・シーンでは珍しいのではないだろうか。KUNGA 219との”SMOKE SIGNALS”では、トラック・メイキングでも達者な所を披露。もし今後GORDSKIのプロデュースでソロ・デビューするなら、かなり面白くなりそうだ。要注目。

最早、カナダ・インデペンデントで独走状態にあるPEANUTS & CORNに追い付けるのは、GOODNIGHT MUSICS位だろう。今後はROOSEVELT THARPAのアルバムを皮切りに、THE GOODSの4枚目、KUNGA 219のセカンド・ソロ、TACHICHIのソロ、GORDSKIのソロが控えている。待ちきれない。