やはり、すでにMOVESとのコンビでアルバムをリリースしている、GOVERNOR BOLTS、TACHICHI、BIRDAPRESによる楽曲は、流石に相性はバッチリ。GOVERNOR BOLTSはというと、女ネタ”WEDNESDAY”も良いが、老人ホームに忍び込む変態男の話”NURSING HOME”が最高だ。病んでいる。TACHICHIの”ALL HANDS ON DECK”は、トラックのキャッチーさも手伝って、癖のある彼のデリヴァリーをよりとっつき易くしている。BIRDAPRESの”IN MY LIFE”は彼の自伝的な物語で、ジャジーなトラックが心地良い。
JOSH MARTINEZとの相性も、当然良い。特に、ウェスト・コーストの変人AWOL ONEと組んだ”WOMEN LOVING WOMEN”がドープだ。共に歌うようなフロウを持つJOSHとAWOL ONEは、この曲でも最高にソウルフル。G.B.やJ.M.がメンバーの覆面ユニット、5 HEADED RETARDの”CRAP RAP”は、トラックはイマイチだが、何と言ってもライムが正に笑撃的だ。何とタイトル通り、ウンコについて延々とラップする….くだらねー!ヴァンクーバーのINK OPERATEDの”METAPHOR SHADOW”は、唯一KABOOMがトラックを手掛けた佳曲。のどかなトラックに集団ラップ。ドープだ。インタールードとして収められたインスト曲は、あまり好きではなかった。
結論。DJ MOVESのトラックに関しては、これまでの彼の作品に比べて、若干の失望感は否めない。とはいえ、多様なMC陣の充実したパフォーマンスのお陰で、飽きさせない作りにはなっている。カナダ・シーンのショウケースとしての役割は充分果たしているので、良しとしようか。