GOODS “SECONDARY EDUCATION”

MCのKUNGA 219とDJ/プロデューサーのGORDSKIによるTHE GOODS。カナダはハリファックスの2人組は、SEBUTONESによって開かれた道を忠実にフォロー。

KUNGA 219のクールで沈んだラップは、”EGO SOLDIERS”の様なダークなトラックには正にピッタリ。アルバムを通してスムースな語り口で、抽象的なリリックをキック。メロウな”RETURNING”に於いても、いたって冷静なデリヴァリー。GORDSKIのプロダクションも素晴らしく、THE GOODSの帰還を高らかに宣言。”DESIGNATED HITTERS”にはTACHICHIが参加、哀愁漂うトラックがドープだ。スクラッチも良い感じのマッシヴな”LINEAR TRACKING”に続いては、DJ MOVESが手掛けた”HARDROCKS”。ダークながらもファンキーなトラックに合わせるかのように、KUNGA 219のデリヴァリーもいつに無くアグレッシヴだ。フックのホーン・サンプルが曲をタイトにしている。

再びTACHICHIが登場する”WHIPPED DOMES 2″では、GORDSKIが数々のサンプルを巧みに料理。KUNGA 219は詰め込んだデリヴァリーで、個性的なTACHICHIと共にワックMCを攻撃。”INSPECTATORS”には、BUCK 65がウッドベースを真ん中に据えたトラックを用意、ホーンがファンキーだ。これで三度目となるTACHICHIとの”SIDEWAYS VISION”では、KUNGA 219がアルバム中最高のフロウを聴かせてくれる。JOSH MARTINEZとの”DUOS”はスタイルの違う2人のコンビネーションも良く、グルーヴィーなトラックもバッチリだ。オルガンが良い”DESTRUCTION ORGANIZED”やムーディーな”PRIMARY EDUCATION”もドープだが、ベスト・トラックは、アルバムのラストに。”EPISODIC MELODIES”でのGORDSKIのトラックとKUNGA 219のラップは、とにかくドープ。最高のエンディングだ。

サンプリング・サウンドの王道を突っ走るGORDSKIのトラックが、なんと言ってもドープだ。KUNGA 219のラップを見事に演出しているし、数曲のインタールードも最高にタイト。内省的なリリックとも良くマッチしているし、バランスの取れた良いアルバムだ。