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このアルバムの魅力は、ただただOFFWHYTEのラップ、それに尽きる。ダラダラしたヌメッと滑る様なデリヴァリーで、トラックの隙間を埋めていく。特に力の抜けるようなその語尾の言い放ち方は、しばらく耳から離れない。基本的には言葉を詰め込んでいくオフビート・スタイルなのだが、その響きは完全にオリジナル。まずは小品、”STATICLING”を聴いてもらいたい。ビートとベースのみの、わずか1分半ほどの曲なのだが、ここで彼が自分のヴォーカルをまるで楽器のように使ってトラックを彩る様を聴けば、何を言おうとしてるかが分かると思う。リリックには詩的、というかいわゆるアブストラクト。”GARAPAGOS FOUR”では自らのクルーについて、”NORTH TO BROADWAY”ではシカゴの街を描写する。
ビートも勿論ドープ。若干、首を傾げたくなる曲もあることはあるが、アルバムの出来を貶めるようなものではないと思う。前半のアブストラクトな流れから、後半に連続するメロディアスなピアノ・ネタまでヴァラエティに富んでいるが、統一感も失っていない。ベストはやはり、途中でループが変わる辺りが鳥肌のモノの”NITPICKER”に決まり。トラックを手掛けるOPEN Iは他の曲でもいいビートを提供していて、このアルバムの嬉しいボーナスになった。
こういったアルバムは、熱心にドープなモノを捜し求めるヒップホップ・ヘッズにとって、最高の褒美である。と同時に、ヒップホップの奥深さを改めて認識させてくれる。必聴。