オムニバス “PEANUTS & CORN - FACTORY SECOND”

質の高い作品を順調にリリースする事で、カナダ・シーンの中枢を担うまでになった感のあるPEANUTS & CORN。ココに来てベストを….と思いきや、多くが新曲で占められたコンピレイションが届いた。そのコンスタントに作品をリリースする姿勢にまずはリスペクト。

このコンピでもほぼ全曲の製作を手掛けているMCENROEは、自身名義の2曲でマイクを握っている。アルバムのイントロダクションを務める”EARNING WARNING”も良いが、AESOP ROCKの”9-5 ANTHEM”と同様なテーマを扱った”GOOD CORPORATE CITIZEN”が歌詞の面でドープ。そのMCENROEと”ENERGY CRISIS”で共演しているJOSH MARTINEZは、ソロ”RAINY DAYS”で最高にソウルフルなパフォーマンスを聴かせてくれる。MCENROEも素晴らしいプロダクションでJOSHの新たな一面を引き出す事に成功していると思う。他にも、SPOOFの”ACCEPT OR SIN”での深みのあるプロダクションには唸らされるばかりだ。

レーベルを代表するお馴染みの面子の中では、PIP SKIDが頑張っている。”I CAN’T FRONT”では、ヒップホップ好きの白人としてカルチャーの一部に溶け込もうとする様をライム、プロダクションも最高だ。浮遊感漂う”GREEN THUMB”やYYとの “PEG LEG CITY”もドープで、頭一つ抜きん出ている。メロディアスなJOHN SMITHの”BATTLE CRY”やGRUF THE DRUIDのスポークンワード”BRINK OF CONTROL”も余裕で良い。YOUR BROTHER IN MY BACKPACKのYYとGUMSHOE STRUTも印象的。”COPSOUP”、”LEGOS”は勿論だが、GUMSHOE STRUTのソロ”SISTER TO A MOTHER”、どれもドープで、アルバムが待ち遠しい限り。

結果的にこのコンピレーションは、PEANUTS & CORNがカナダのみならず世界的に見ても、極めてポテンシャルの高いレーベルである事の証明となった。MCENROEのプロダクションは勿論、ラッパー陣も素晴らしい。彼らからは、これからも目の離せない。

オマケで付いている、PIP SKIDの”HYPOCHONDRIAC”のビデオも見逃せない。